一枚のハガキ

新藤兼人監督ならではの
映画のつくりに注目! 

 1912年生まれ、今年99歳(ということは数え歳では100歳!)になる新藤兼人監督。映画監督としてはもちろん第一人者であるが、人間としても「人生の大先輩」である。
 その「人生の大先輩」が、後の世代にはない自身の体験を生かし、後の世代とは異なる発想をもとに作り上げたのがこの作品である。
 作品の随所に、新藤監督ならではの演出が見え隠れする。見ていて、その表現の仕方に時には圧倒され、時には心を揺さぶられる。感動し、納得し、笑い・・、いつの間にか作品の世界にどっぷりとつかることになるのだ。
 そして、俳優たちの熱演・好演・怪演が、しっかりと支えている。大竹しのぶの熱演ぶりは、最近の出演作にはない勢いがあったし、豊川悦司も作品の世界に合わせて難しい役を好演していた。大杉漣をはじめとする他の俳優たちも、それぞれ味のある演技をしていて、それもこの作品の見どころの一つになっている。
 みなさんもぜひ、新藤監督ならではの映画の作りに注目しながら、俳優の演技を大いに楽しんでいただきたい。  
        
(山本 英司)

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